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2011年12月31日土曜日

歳末 The end of year




「お父さん、今年一年の最大の出来事は東日本大震災だね」
「ララちゃんもそう思うかい?大地震とそれの引き起こした津波、原子力発電事故。一国の産業は使えるエネルギーの量によって決まるから、今までのように原発のエネルギーが使えなくなる日本は大弱りだ」
「それに、大変な円高。日本は四面楚歌ね」
「欧米には経済的大津波が押し寄せているんだよ。こんな日本でも相対的にいいと思われているみたいだ」

・震災の 復興半ばで 年暮れぬ (素粒子)

Even in the course of the earthquake disaster reconstruction, the end of year has come.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年12月22日木曜日

冬至 The winter solstice



「お父さん、今日は冬至なんだって?」
「そうだよ。太陽が南回帰線上にあるため、今日は最も昼が短く夜が長いのだ。今日から反転するから陰が極まって陽が戻るともいう。
だけどね、本格的な冬の始まりでもあるんだよ」
「寒いから、今夜は柚子湯に入って、カボチャを食べて----♪ ♫」

・長き影 今日を限りの 冬至かな (素粒子)

The longest shade will be turn backed after today, the winter solstice.

(写真は鬼柚子)
EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2011年12月15日木曜日

師走 Shiwasu



・暮れなずむ 街の灯りも 師走かな (素粒子)

City lights turn on little by little at nightfall. Siwasu (twelfth month of the lunar calender) has come slowly.

(写真は貿易センタービル40F展望階からみた東京タワー)
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年12月7日水曜日

大雪(たいせつ) Heavy snowfall (in old traditional calender)



「ララちゃん、今日は二十四節気の大雪(たいせつ)なんだよ」
「そもそも二十四節気ってなあに?」
「昔の人は春夏秋冬の四季のそれぞれを六等分して季節の名前をつけたんだって。4x6で24だ。今の人よりも昔の人の方が季節に敏感だったみたいだね」
「大雪になると雪が降るの?」
「このごろ西高東低の冬型気圧配置になって来た。ここ関東地方ではまだだけど、裏日本や北海道からはもう雪の便りだね」

・冬来り 名残りのもみじ 燃え尽きぬ (素粒子)

 Lingering red leaves burning itself out in early winter.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2011年12月4日日曜日

銀杏の落葉 Fallen leaves of ginkgo





「ララちゃん、夕べは北風が吹き荒れていたね」
「お寺の銀杏の葉が随分落ちたみたい」
「木枯らしで境内一面に銀杏の葉が散り敷くと、束の間、まるで黄金の極楽浄土の世界が現れたような景色になるんだよ」
「へえ、そうなの。それで、やがてお父さんもこの寺の墓地に眠るの?」
「まあ、そういう事だ。でも、もうちょっと先だよ」

・銀杏散り 黄金浄土 かくならん (素粒子)

 The golden land of Perfect Bliss appears suddenly by scattered fallen leaves of ginkgo (maidenhair tree).

(写真は長久寺)
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年11月30日水曜日

喪中はがき "Mochu notice card"


「お父さん、郵便屋さんが来たみたい」
「また今日も喪中はがきが届いたよ。寒くなって時雨る時期になると、喪中はがきが次から次に届くんだよね」
「もしララが亡くなったら、喪中はがきを出すの?」
「そりゃ、12年半も一緒に暮らして家族と同じだからそうするさ」

・時雨るや 喪中はがきが 今日もまた (素粒子)

 I have received “mochu notice card” day by day in eary winter shower. The card informed that people lost a love one during the past year, and not exchange New Year’s card.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年11月23日水曜日

勤労感謝の日 Labor Thanksgiving Day



「ララちゃん、今日は勤労感謝の日なんだよ」
「本当は作物の収穫のお祝いなんでしょう。お父さんは何に感謝しているの?」
「うーん、高校を出て郷里の盛岡を離れ、大学を出て就職してから病気もせずに何十年も働けたことに感謝だね。最初は民間企業に入ったけど、途中で国立の研究機関に転じて国家計量標準を研究し開発したんだ」
「それで、勤労できたことに感謝という訳ね」

小春日や 故郷離れて 幾とせぞ (素粒子)

I have a rest time in a mild late fall weather, as I had worked hard after leaving my home town.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
(写真は山茶花)

2011年11月15日火曜日

初時雨 The first winter shower



「お父さん、時間は直線的に過ぎ去るの?」
「うーん。毎年春夏秋冬と季節が巡るし、十二支も12年ごとにぐるぐる巡るから直線的と言えないかもね」
「それじゃ、時間は螺旋状に過ぎていくの?」
「やあ、ララちゃんは哲学的になったね。ともあれ、ことしも初時雨が来た。これからは木枯らしが吹き、寒くなりそうだ」

・初時雨 もみじ葉濡らし 過ぎ去りぬ (素粒子)

The first winter shower has passed with wetting scarlet maple leaves.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年11月8日火曜日

立冬 The beginning of winter



「ララちゃん、今日11月8日は立冬と言って冬の始まりなんだよ」
「春のような暖かさなのに?」
「うん、不思議なものだね。何があっても、大震災も人の悲しみもそ知らぬように季節は巡って来る。これからは西高東低の空っ風が吹くようになるよ」

・冬来る 大震災を 踏みしめて (素粒子)

 The beginning of winter has come stepping firmly on the big disaster.

(写真はカラス瓜)
EOS40D, EF70-200mm/F4L USM

2011年11月6日日曜日

国際単位系(SI)の改訂(3) Revision of International System of Units (III)



「お父さん、2月頃に今年の秋には国際単位系(SI)の改訂があるって聞いてたけど、あの話はどうなったの?」
「うん、10月17日からパリで第24回国際度量衡総会(CGPM)が開かれたんだよ。最も関心の高い議題は、国際単位系(SI)を改訂して質量の標準を人工物であるキログラム原器から普遍的な基礎物理定数(プランク定数、真空中の光速度、Csの遷移周波数や、あるいはアヴォガドロ定数など)で表現するように置き換えようという方針が決まったことだ。度量衡(Metrology)の世界では最後の大きな課題だった」
「いつから、そうなるの?」
「今はそういう方針が決まっただけで、実際に実現するのはもう少し先になりそうなんだ。各国の国立研究所で研究が進められているのだけれど、この秋までに本当にみんなが納得できるデータが揃わなかったのだよ。
でも、いいところまで来ているからそう遠くない将来には実現しそうだね」

・身にしむや 激流の渕に たたずみて (素粒子)

I’m struck into silence to watch the drastic evolution on system of weights and measures.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年10月30日日曜日

秋の水 Autumn water



「お父さんは春夏秋冬のどの季節が好き?」
「夏は暑くて閉口するけど、どの季節も好きだよ。秋は自分の年齢的な季節と重なる。寒い冬を前にした小春日和は特に好きだね」
「随分働いたものね」
「仕事上のいいことも悪い事も、毀誉褒貶も、重責もしがらみもいっぱいあったよ。今は現役から離れて大分薄れてきたけど」
「肩の荷がおりたのね」

・肩の荷を おろして軽く 秋の水 (素粒子)

After retirement, the stream of time makes me free from the hevy responcibility on my job, as if it were a stream of autumn water.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年10月23日日曜日

過ぎゆく秋 Passing autumn (II)



「父さんはララをおいて遊びにいったの?」
「写真クラブで谷川岳の写真を撮りに行ったんだよ。一の倉沢まで行って、山頂に朝日が当たるところを撮るために朝まだ暗いうちに起きてね」
「で、いいのが撮れたの?」
「うーん、何度も通ってやっといいのが撮れるみたいで、一回で上手に撮れるものでもないさ。でも山麓は紅葉だったね」

・山塊の 裾を彩る 紅葉かな(素粒子)

 The big Mt. Tanigawa soars, and base of the mountain is now ablaze with autumn colors.

EOS40D, 24-105mm/F4L IS USM

2011年10月16日日曜日

過ぎゆく秋 Passing autumn



「ララちゃん、昔 中国に李白という詩人がいたんだ」
「あ、お酒を好きだった人ね」
「彼の詩に、---天地は万物の逆旅にして 光陰は百代の過客なり、而して浮生は夢のごとし---とある。春の宵に作ったものだけど、秋にもぴったりだ」
「どういう意味なの?」
「人生なんてあっという間だ、という意味さ。今年は不慮の大震災で多くの人々が亡くなった。お父さんも最近になってしみじみとこの詩が分かるようになってきたね」

・行く秋や 時の旅人 我もまた (素粒子)

I feel that I’m wandering in the stream of time, especially in autumn.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年10月9日日曜日

燃料電池 Fuel cell



「ララちゃん、ハイテク化されたされたお湯に浸かると気持ちがいいよ。今日は寒露でちょっと寒いから」
「へえ、お湯がどのようにハイテク化されたの?」
「燃料電池という最新技術でお湯を沸かすんだよ」
「燃料電池ってなあに?」
「以前は米国の宇宙船で使われた最高の技術だったのだけれど、今では日本でエネファームと呼ぶ家庭用燃料電池が普及し始めたんだ。都市ガスを水素と酸素に分解して反応させて電気を発生させ、ついでにお湯も出来るんだよ」

・ハイテクの 湯に浸りたる 寒露かな (素粒子)

 It is very comfortable to take a bath in the cool evening of Kanro (Late Autumn). The hot water is supplied from fuel cell named ENEFARM which is developed lately for home use in Japan.

(10月9日は二十四節気の一つの寒露。写真の黄色い花は秋の七草のおみなえし(女郎花))
EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2011年10月1日土曜日

モーター・パラグライダー A motor paraglider



「お父さん、何か変なものが飛んでいるよ!」
「あれは、モーター・パラグライダー。
パラグライダーはもともと宇宙船回収用にNASAが開発した凧なんだけど、今はすっかりスカイスポーツになったね。モーター・パラグライダーは人が大きな扇風機を背負ってどこからでも飛び上がれるんだ」
「のんびり空の散歩が出来て楽しそうね。まるで鳥みたい」

・天高く 翔ぶが如くに 戯れて (素粒子)

A man enjoys motor paraglider in the autumn blue sky, as if he were a flying bird.

EOS40D, EF70-200mm/F4L USM, zoom

2011年9月27日火曜日

ニュートリノ Neutrino



「お父さん、新聞にニュートリノが光より速く移動すると書いてあるけど?」
「うーん、お父さんも物理学を学んだけど、あれが本当ならば今までの常識を覆す大発見だね。アインシュタインの特殊相対性理論が破綻するから」
「ララには、難しくてわかんないよ!」
「例えて言うと、100m競争で10秒の壁がボルトによって破られたようなものかな。ちょっと違うけど」

・秋深し ニュートリノの謎 深まりて (素粒子)

 We are thrown into confusion by the new experimental result on Neutrino which is faster than the speed of light.

(写真のすすきは明治百年記念武蔵丘陵森林公園にて)
EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2011年9月23日金曜日

彼岸花 A spider lily (II)



「ララちゃん、何故かお彼岸の頃になると彼岸花が咲きだすんだよ」
「何の不思議も無いんじゃないの?」
「いや、どうしてお彼岸の来るのを知って咲きだすのか不思議だね。
それにしても、何故か年ごとにこの花を身近に感じる」
「もう、あの世に行くのが近いからじゃない?」

・年ごとに 身近になるや 彼岸花 (素粒子)

 I feel close to the red spider lily (it has somehow smacks of under world) year by year, because I became an old person.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年9月19日月曜日

秋祭り An autumn festival



「お父さん、秋祭りが始まっているよ!笛や太鼓の音が聞こえる」
「暑くても季節はめぐり、秋になったものね」
「あっ、あそこで獅子踊りをしている!」
「あれは神様に五穀豊饒を感謝する舞い。日本のあちこちだけでなく、世界中に似たような舞いがあるから面白いね」

・豊饒の 神に捧げん 獅子の舞い (素粒子)

 To express their thanks on huge harvest, people present a traditional lion dance to the goddess fertility.

(写真は、埼玉県行田市の長野地区に伝わる「ささら獅子舞」)
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年9月15日木曜日

残暑 The heat of late summer



「仲秋の名月が過ぎたのに、どうして毎日暑い日が続くの?」
「ララちゃん、お盆過ぎの暑いのは残暑と言うのだけれど、それにしても今年はいつまでも暑いね」
「いつになれば涼しくなるのかしら?」
「言い伝えでは暑さ寒さも彼岸までと言うから、もう4~5日かな」

・いつまでも 滞りたる 残暑かな (素粒子)

 The heat of late summer still remains after the harvest moon ceremony.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM
(熊谷市とならんで暑い事で知られる館林市に茂林寺http://www7.plala.or.jp/morin/ がある。この寺は文福茶釜の伝説で知られ、境内には狸の置物が沢山ある)

2011年9月13日火曜日

仲秋の名月 The harvest moon





「お父さん、丸い月が上がってくるね」
「うん、9月12日は旧暦の8月15日で仲秋の名月だ。今年は残暑が厳しくて、とても秋の風情とは言えないけれど」
「いつもと違う月なの?」
「そんなことはないけど、昔から日本人は仲秋の月を愛でてきたのだよ。十五夜の月を愛でながらベートーベンのピアノソナタ「月光」をしみじみ聴くのもいいものだ」

・しみじみと 「月光」聴くや 十五夜に (素粒子)

I'm lost deep in hearing "Moonlight" in the light of harvest moon.

EOS40D, EF70-200mm/F4L USM, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年9月9日金曜日

うろこ雲 Cirrocumulus clouds



「ララちゃん、空を見上げてごらん、うろこ雲だよ」
「うろこ雲ってなあに?」
「夏から秋になる時期に現れる雲なんだ。シベリア大陸から張り出した冷たい空気と太平洋からの暑い空気が上空でぶつかり合う季節の変わり目に出来る雲なんだよ」
「あれがうろこということは、空に大きなお魚がいるんだね。お父さん」

・夏秋の 分水嶺や うろこ雲 (素粒子)

Cirrocumulus clouds, it is a divide between summer and autumn.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年9月2日金曜日

野分 A typhoon




「お父さん、大きな台風12号が来て激しい風雨だね」
「うん、9月1日は二百十日で昔から台風の来る季節なのだよ。台風は野の草を倒し、分けて進むから昔の人は“野分”と呼んだのだ。情景が目に浮かぶいい言葉だ」
「野分はいいね!強い雨風が鬱々とした気分を吹き飛ばしてくれるから」

・鬱々の 気を吹き払う 野分かな (素粒子)

The typhoon, blow away my pessimistic mood!

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年8月29日月曜日

虫の音 Singing of insects


「ララちゃん、あんなに暑かったのに秋雨前線がきたらあっという間に気温が下がったね」
「立秋が過ぎたから、やっぱり秋が来たのかしら」
「そうだね。聞いてごらん、静かな夜だけど虫の音があちこちから聞こえる。虫たちの夜想曲だ」

・遠近に すだく虫の音 闇に満つ (素粒子)

Hearing the singing of insects near and far away in midnight, we feel that Autum has come.

写真は、この時期に咲く酔芙蓉。花弁が酔って赤くなったかのよう。
EOS40D, Sigma105mm/F2.8 macro

2011年8月19日金曜日

青鷺 A blue heron (II)







「ララちゃん、炎天下の田んぼに青鷺がいるよ!」
「まるで、村の長老が稲の出来具合を心配して田んぼを見ているようね。今は穂の出る時期だから」
「そうだね、今年は稲も放射能で汚染されているかも知れないという不安があるから心配だ」

・青鷺や 古老の如く 青田見て (素粒子)

A blue heron (Ardea cinerea) watches a green rice field under blazing sun, as if he were one of the oldest residents of the village.

EOS40D, EF70-200mm/F4L USM, zoom

2011年8月15日月曜日

蝉しぐれ Cicada's buzzing



「ララちゃんの生まれる前に大きな戦争があって、日本人は230万人以上が亡くなって今日が66回目の終戦記念日なんだよ」
「でも、それを乗り越えて発展してきたんでしょ」
「そうだね。敗戦を機に日本の生き方が変わったように、今年の大震災を機に社会も経済も大きく変わりそうな気がする」
「どんな風に?」
「エネルギー問題、円高、膨大な国の借金、高齢化---と問題を上げればきりがないけど、政治ももう少しシャキッとして国自体の復興を目指すしかないよね。
制御出来ない原子力発電に頼らないでエネルギーを獲得し、そのエネルギーを大切に効率良く使う産業を発展させることに復興の鍵があるような気がする。世界中にそういうニーズが沢山あるからね」

・この国の 行く末如何に 蝉しぐれ (素粒子)

It is so hot late summer heat. The cicadas are buzzing in the anniversary day of the end of the Pacific War. So many Japanese people feel anxious about this country’s future.

EOS40D, EF70-200mm/F4L USM

2011年8月13日土曜日

残暑 Late summer heat



「お父さん、8月8日は立秋で、暦の上では秋になったのね」
「うん、秋になったというのに毎日38℃くらいが続き暑いな。
 今日13日からはお盆だよ」
「お盆ってなあに?」
「あの世に行ったご先祖さまが13日から16日までこの世に遊びに来るんだよ。ララちゃん、元気?ってね」

・秋立つを 忘れせしめる 猛暑かな (素粒子)

Though it is already autum according to the calender, severe summer heat is lingering yet.

写真は、ビッグバン直後の宇宙の膨張---ではなくて、花火の開いた瞬間。
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年8月6日土曜日

緑陰 Shade of trees


「蝉がやっと鳴き出したね、ララちゃん」
「観音様も木陰でゆったりと微笑んでいらっしゃる。ねえ、お父さん、観音様ってどういう仏様?」
「日本は原子爆弾で終戦になり、その66年後には福島原子力発電所の大事故でどちらも放射能で苦しんでいる。観音様はそういう人々の嘆きや悲しみを優しく聞いてくださるそうだよ」

・緑陰に 観音聞くや 衆生の声 (素粒子)

In the shade of trees, Kannon listen and save to all mankind even though the victims of atomic bomb in world war II, and atomic power plant in Fukushima.
(Kannnon=Avalokitesvara(bodhisattava of mercy and salvation))

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年7月26日火曜日

朝凪 A morning calm on the sea


「お父さん、暑い日は海に行きたいね」
「いいね、ララちゃんは海で犬かきかな?溺れないでね」
「今時の犬は犬かきなんてしないよ。サーフィンなんかやるんだ。
ところで、どうして日中は海から陸地に風が吹くの?」
「それはね、海水より陸地の比熱が小さくて温まり易いから上昇気流が生じて陸風が吹く。朝方には海風と陸風がバランスして無風状態の朝凪になるんだ」

・朝凪や 時の流れも 静止して (素粒子)
 
 The flow of time has been stopped in morning calm on the sea.

写真はオアフの海にて。
EOS40D, EF70-200mm/F4L USM

2011年7月24日日曜日

沈黙の夏 A Silent Summer


「お父さん、今年の夏はなんだか蝉の鳴き声が少ないみたいね」
「そういえば、そうかな。どうしてだろうね」
「梅雨明けに38℃の暑さが続いたせいかしら?それとも----」
「ララちゃん、レイチェル・カーソンの“沈黙の春”(Silent Spring)という小説がある。農薬で利用されている化学物質の危険性を取り上げたものだが、蝉の鳴声が少ない“沈黙の夏”は放射能汚染の広がりを意味しているのかもね」

・蝉鳴かず 沈黙の夏 過ぎゆきぬ (素粒子)

Recently we hear little cries of the cicadas. A Silent summer has gone like as a “Silent Spring” with radioactive contamination.

写真は、今年やっと見つけた蝉の抜け殻。
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年7月16日土曜日

昼寝 An afternoon nap




「梅雨明け後の10日間が最も暑い時期と言われるけど本当だね、ララちゃん」
「ここは、暑さ日本一の熊谷市に近くて熱帯並み。おまけに私は毛皮を着ているのだから暑くて---」
「そうだね。連日38℃以上で、物を考えることも仕事も散歩も出来ない。こういう時は昼寝をするに限る」

・猛暑日は 無聊かこちて 昼寝かな (素粒子)

In a hottest summer afternoon, someone who feels ennui should take a nap.

EOS40D, EFS17-85mm/IS USM

2011年7月10日日曜日

ひまわり A sunflower




「ララちゃん、関東地方も梅雨があけて本格的な夏到来だよ!」
「梅雨が明けたのは嬉しいけど、また35℃を超す日が2カ月以上も続くと思うとうんざり。おまけに、また計画停電もあるかも知れないし」
「未だに避難所暮らしの被災地の人達のことを考えたら、そんな事を言ったら申し訳ないよ」

・炎天に ひまわり咲くや 夏来る (素粒子)

After the end of rainy season, the hot summer season that is burning sun and blooming sunflower has come.

EOS40D, 24-105mm/F4L IS USM

2011年7月2日土曜日

半夏生 11th day after the summer solstice



「ララちゃん、今日7月2日は雑節のうちで半夏生(はんげしょう)という日なんだよ。夏至から11日目にあたる」
「ふーん、それで?」
「そういう名前の植物があるんだ。ほら、葉っぱの半分が白くなっている---」
「なんだかひっそりと木の下に咲いているみたいで、ぱっとしないね」
「そうだね。昔は遊女にも例えられたという。顔の半分を化粧しているのに似ているとのことで」

・半夏生 ほのかに照らす 夏の月(素粒子)

The summer moon light on the plant named 11th day after the summer solstice indistinctly.

EOS40D, 24-105mm/F4L IS USM

2011年6月22日水曜日

夏至 The summer solstrice



「梅雨の晴れ間で急に暑くなってきたね、お父さん」
「そう、今日は夏至と言って1年で一番日中が長い。パリでは夜の11時頃まで明るいんだ」
「何故暑くなったり寒くなったり、日が長くなったり短くなったりするの?」
「それは、地球が自転しつつ公転しているのだけど、地軸が約23.4°傾いているからさ」
「どうして地軸が傾いているの?」
「えーっと、それは何故だろうね。神様が宇宙を作った時からそうなっているのかな」

・夏至来る 森羅万象の うねりかな (素粒子)

 The summer solstrice has come, all things in chaotic nature undulate toward the future.

EOS40D, EF70-200mm/F4L USM

2011年6月19日日曜日

蓮の花 A lotus flower



「ララちゃん、あの大震災からもう百日になり、6月16日で死者15,441人、行方不明者7,718人だって。本当に痛ましいよね」
「それに、原発事故の放射能被害もじわじわと広がるし---」
「現地では必死で復興に取り組んでいるけど、肝心の政治が大局的な復興の枠組みすら決められないのだから情けない」

・幾万の 不慮の死悼む 蓮の花 (素粒子)

A lotus flower blooms as if it mourned the unexpected death of several ten thousands people by the big disaster.

EOS40D, EF24-105mm/E4L IS USM

2011年6月10日金曜日

葵の花 A hollyhock flower



「お父さん、葵の花が咲いているよ。京都の葵祭は5月15日なのに、こちらでは今ごろ咲くんだね」
「これが咲くと夏の始まりだ。ララちゃん、この花は華やかというよりは淋しい気配がする」
「どうして?」
「この世に生まれた者は喜怒哀楽をかみしめて人生を全うするはずなのに、生きる途上で命を失った人の悲しみが花の芯のあたりに凝縮しているみたいで---」

・誰が夢ぞ 葵の花の 薄紅は (素粒子)

 Who’s sorrowful dream, the light pink of hollyhock flower!

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年6月5日日曜日

青嵐 A windstorm blowing through green leaves



「お父さん、今の政治の混乱は何とかならないの?」
「うーん、誰か大局観をもって震災や原発問題に対処する腹のすわった政治家は出ないものかね」
「いっそのこと、ゴタゴタばっかりする政治家を青嵐で吹き飛ばしたらどう?」
「そりゃいいね。すっきりするよ」

・青嵐や 混迷政治 吹き飛ばせ (素粒子)

A windstorm blowing through green leaves, blow off recent confused politics in Japan !

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年5月28日土曜日

生命力 Vitality


「ララちゃん、みんなでこの大震災の処理をなんとかしなきゃならないのに、口を開けば揚げ足とりの政治の迷走にうんざり」
「なんとかならないものかしら」
「見てよ、このアマリリスの生命力を。
地震にも、放射能にも、政治の混沌にも耐えて生き抜いて花を咲かせようとしているよ」

・生き抜かん 力みなぎる アマリリス (素粒子)

Although the world is confused after the big disaster, the bud of Amaryllis is brimming with vitality to survive.

EOS40D, Sigma105mm/F2.8, macro

2011年5月21日土曜日

風薫る五月 Cool light breeze in May




「五月は本当に気持ちのいい季節だね、お父さん。
一年中で一番好き」
「生き物すべての命が躍動する時だ。新緑がきれいだね」
「こんな季節を迎える前に震災で亡くなった人達は気の毒だったね」
「いい風が吹いて来る。今生きている人はその人達の分も心して生きよと励まされているみたいだね、ララちゃん」

・薫風に 今を生きよと 励まされ (素粒子)

We are encouraged by the cool light breeze to make the most of the present.

写真は、つくば植物園(国立科学博物館筑波実験植物園)の池
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年5月19日木曜日

アカシアの花 Flower cluster of Acacia




「お父さん、風薫る五月というけど、気持ちがいいよね。何かいい匂いもする」
「そうだね。ほら、あそこのアカシアの大木の枝いっぱいに白い花房がついている。
まるで今度の震災で亡くなった1万5千人もの人達の魂をなぐさめているかのようだね」

・アカシアの 花房白く 鎮魂す (素粒子)

 So many white flower cluster of Acacia bloom for the repose of souls of died people by the big disaster.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年5月10日火曜日

救援の車列 Emergency vehicles


「お父さん、またララを置いてどこに行ってたの?」
「うん、用事があって生まれ故郷の盛岡に行ってたんだよ」
「この間の被災の様子はどうでした?」
「応急措置で復旧した東北道を走ったら福島・宮城県では段差やうねりがあって全域の地盤が不均一に沈下している感じだったね。でも、その道を自衛隊や警察や救援団体の車列が何組もどんどん北上していて、救援活動が本格化している。心強かったな」

・救援の 車列駆けぬく 若葉かな (素粒子)

  The damaged section of the Tohoku Highway is restored with emergency procedures. So many emergency vehicles run to North area for relief under young leaves.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8, macro

2011年5月6日金曜日

一本の藁 A straw


「ララちゃん、藁一本で馬(ラクダという説もある)の背骨が折れること知っている?」
「どうしてなの?」
「馬の背に耐えうる限界までの荷駄を積んでいる時、その上にさらにもう一本の藁を加えただけで馬の背骨が折れるんだよ」
「何かのたとえ話?」
「うん、日本は今までに大変な借金(2010年3月での累積赤字国債発行額930兆円)背負っている。それに加えて、今度の大震災と原子力発電事故で更に国債を発行せざるを得ないだろうけど、それが一本の藁になりはしないかと----」

・この国の 前途憂える 立夏かな (素粒子)

 We Japanese people have misgivings about the future of this country, because the serious disater may work as the effect of the last straw on the huge amount of deficit-covering government bond.

EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM
 

2011年4月30日土曜日

遅日 Long spring day


「父さん、今月はブログが進まないね」
「震災以来、郷里の東北を思うとどうにも気持ちが晴れなくてね」
「今日で東北新幹線も復旧したそうだから、希望の光が見え始めたのでは?」
「そうなんだけど、その一方で今になって3月11日の津波で高校の同級生が亡くなったという知らせが入って----」

・友人の 訃報聞きたる 遅日かな (素粒子)

 Long spring day, I was informed of my friend’s death due to the big earthquake and tsunami.

写真は、訃報を象徴するような黒紫のチューリップ
EOS40D, EF24-105mm/F4L IS USM

2011年4月21日木曜日

過ぎゆく春 Spring has passed



「お父さんは、まだぼんやりしているね」
「うん、自分が直接大震災の被害を受けた訳ではないけど、精神的に虚脱感がある。地震と津波、それに深刻化する原子力事故の映像を繰り返し見たからね。
ダンテの神曲の地獄めぐりの100倍もひどいもの」
「TVに評論家が出て来て政府の対応をあげつらうけど----」
「ララちゃん、修羅場で実際に指揮をとったら誰だって100点満点とはいかないものなんだよ」

・行く春や 震災あとの この虚脱 (素粒子)

  After the big earthquake, I become very despondent at the thought because of the calamity and serious accident of nuclear power plant. The spring has passed even though these circumstances.

EOS40D, Sigma105mm/F2.8, macro

2011年4月12日火曜日

桜花 Cherry blossoms



「お父さん、なんだかこの頃ボーっとしているみたい」
「うん。ちょっとね。ララのお姉ちゃんをお嫁にやったからね。これからは、ララの存在感が増すことになるな」
「そんな事を言ってないで、桜が満開だから見に行こうよ!」

・嫁がせて しみじみ見入る 桜かな (素粒子)

 After I married my daughter off to a man, I looked at the blooming cherry blossoms with fixed eyes quietly.

EOS40D, Sigma105mm/F2.8, macro

2011年3月27日日曜日

ターニングポイント Turning point



「お父さん、今度の大震災で地震、津波の後始末も大変だけど、福島第一原発が一番心配だね」
「そうなんだよ。事態は収束せず深刻化しているし、放射線災害で30km圏内の人達も避難している」
「これは歴史的にどんな意味を持つのかしら?」
「ララちゃんも日本の将来が気になるかい?
国の経済力はその国が獲得できるエネルギー量に比例するんだ。原子力発電は安いコストでエネルギーを得る手段なので現在世界中で443基、日本では55基も稼働している。
でも、日本は地震が多いし、こんな事故があったのでこれから原子力発電は受け入れられないだろうね」
「原油も高騰しているから火力発電だってコストが高いし---」
「今度の原発事故は、安いコストのエネルギーを入手出来なくて経済活動が衰退するかどうかの日本のターニングポイントになるだろう」
「それを乗り越えるのが、日本人の叡知だよね」

・原発の 事故に怯える 余寒かな (素粒子)

The HUKUSHIMA nulear power plant had serious damage by the big earthquake and TUNAMI, and under uncontrolled condition still now. People who live in a 30 km area of the plant moving toward more saftey region under cold weather.

EOS40D, EF70-200mm/F4L, zoom
(写真は、東日本大震災の被災地に向かう自衛隊のヘリコプター)