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2009年12月28日月曜日

鴨 A wild duck


「お父さん、カモネギって何の事?」
「雪の降る時期には、鴨に脂がのって美味しくなる。特に、青頚鴨なんかね。鴨鍋をするときに薬味の葱があると一層美味しい。転じて、事態が自分に都合のよい、ますます望ましい状況になることを言うんだよ」
「ふーん、高い地位にいた役人が天下りして、定年後も給料やボーナスをたんまりもらうとか」
「それも当たりカモね」

・銃口を 逃れし鴨の 浮寝かな (素粒子)

A wild duck sleeping on the surface of the water, getting rid of gun muzzle.

EOS40D, Canon EF70-200mm/F4L USM, zoom

2009年12月27日日曜日

予言


「お父さん、9月18日のブログのお父さんの予言が当たったね!」
「うむ、民主党の公約はかなり理想主義的だから、この先選挙公約を実行しきれなくて人々の期待が失望にかわる時期が勝負だ、と言った事かな」
「そうそう、どうしてお父さんは分かっていたの?」
「そりゃ、伊達にメシは食っとらん。ララとは違うよ! 理想と現実のギャップが大きいことを危惧したんだよ。そこで一句

・公約の 夢は枯野を 駆けめぐる 」

「ウーン、これも何かのパロディーくさいな」
「そう、「旅に病んで---」のパロディーさ。
いずれにせよ、民主党も茨の道だね。サボテンの棘みたいなイガイガの道をかきわけて歩むことになる」

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2009年12月26日土曜日

銀の月 Silver moon



「お天気姉さんが言うには、年末寒気団が来てるんだって。寒い!」
「犬が寒がるなんて、人間化してきたんじゃないのか?
もっとも、ララは生後40日目から我が家に来ているから、自分が犬か人間か分からないんだよね」
「どっちにしても寒いから、今日は散歩をやめようよ」
「いよいよ、萩原朔太郎の「月に吠える」という詩集を読むのにふさわしい季節が来たかな」

・朔風に 揺れる梢や 銀の月 (素粒子)
While the top of tree swaying against the north wind, the silver moon shines brightly and clearly in the dark sky.

「お父さんの田舎には、「月の明るい晩に影の無い人は、その年の内に亡くなる」という言い伝えがあるんだよ。だから、月の晩には人も犬も影があるかどうか----」

・山の端に 寒月懸り 影を踏む (素粒子)

EOS40D, Canon EF70-200mm/F4L USM zoom

2009年12月24日木曜日

天皇誕生日 Emperor's birthday


「ララちゃん、12月23日は天皇誕生日で祝日、お休みなんだよ」
「へえ、天皇ってなあに?」
「そうか、犬の社会にはないものね。天皇を一口で説明するのは難しいな。ずっと昔に日本を統一して、その血統が今まで続いているんだ。
今も統治しているかって?そういう訳じゃないけどね」
「じゃ、なんとなく偉い人なの?」
「うむ、明治維新から第二次大戦までは天皇を絶対的な権力者に仕立て上げたけれど、その前はみんなの幸せを祈る大いなる神主さんみたいだったんだって。お父さんは、そういう役割の方がふさわしいと思うな」

・天皇を 言祝ぐ鄙や 日章旗 (素粒子)

To celebrate the birthday of our emperor, people swing out the Japanese flag (HINOMARU) even in a deep country.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
つくば植物園にて、日の丸の旗の代わりに

2009年12月19日土曜日

薄氷


「ララ、元気が出るように面白い話をしようか!」
「どんな話?」
「お父さんが仙台にいた頃の話。今頃になると松島海岸では牡蠣がとれるので、牡蠣小屋が出来る。そこで牡蠣をむいたり、焼き牡蠣を食べさせたりするんだ」
「あ、お腹がすいてきた」
「松島には伊達正宗の建立した名刹の瑞巌寺がある。時々、ゴーンと鐘が鳴る」
「牡蠣と鐘に関係があるの?」
「そこで一句、

・牡蠣喰えば 鐘が鳴るなり 瑞巌寺 」

「ワンワン(笑)、お父さん、それは「柿食えば----」の悪乗りだよ!ああ、おかしい!お腹の皮がよじれる」
「ほら、少し元気がでたかな」

EOD40D, Canon EFS17-85mm/zoom
写真は氷の張った川面

2009年12月15日火曜日

シクラメン


「ララちゃんの胸のしこりを獣医さんに診てもらったんだ」
「で、お医者さんはなんて言ってたの?」
「多分脂肪の塊だろうけど、硬くなるようならまた連れて来てくださいって。経過観察だね」
「硬くなると、どうなの」
「癌の可能性がある。だけど、ララは心臓肥大の持病があるから簡単には手術ができないんだってさ」
「と、なると------------」

「シクラメンが咲いたから、これを見て元気を出そうよ」 

・シクラメン 落ち込むララを 励ませよ (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2009年12月9日水曜日

漱石忌


「ララ、今日12月9日は夏目漱石の命日だって知ってた?」
「ああ、あの「吾輩は犬である」の?」
「犬じゃなくて、猫。もともとは偉い英文学者なんだよ。軽妙なものだけじゃなくて、「三四郎」、「行人」とか「こころ」など、今の人にもわかる深い小説を書いているんだ」
「漱石は奥さんとお母さんが仲が悪く、間にたって苦労したとか聞いているけど」
「だから、小説を書くことに逃避したという説もある。俗説だけどね」

・薄紅の 衣まとひて 冬に咲く (風音)

・しみじみと 行間読むや 漱石忌 (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
花はシャコバサボテン

2009年12月4日金曜日

帆船 日本丸 Sailing ship "Nippon-Maru"


「お父さん、この間横浜に行ったでしょ。何か美味しいもの食べたの?」
「ララは食べることばっかりだね。お仕事だよ。ついでに、ランドマークタワーの隣のドックに繋留されている帆船日本丸の写真を撮ってきたんだ」
「今でも帆船を使ってるの?」
「東京商船大学の学生の卒業訓練に使っているそうだよ。4年生になるとハワイまで遠洋航海訓練するんだって。ララもどう?」
「どうと言われても、もしハワイの沖で溺れたら 犬かきで日本まで戻れないし----」

・幾たびの波濤越え来て冬日和 (素粒子)
Nippon-Maru had plowed the waves several times, but now take a rest at harbor in a calm winter day.

・浮寝する日本丸や冬鴎  (同)
Nippon-Maru take a rest as if it were sleeping on the waves, common gull flying around the ship in winter.

EOD40D, Canon 24mm/F2.8 wide zoom