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2010年2月28日日曜日

春の雨 Spring rain


「せっかくお父さんの休みの日曜日なのに、雨でつまらないね」
「つまらないけど、この雨が木の芽や土の中にいる虫を呼び出すんだよ。もうすぐ啓蟄なんだ。ララだって外に出たくてムズムズしているんだろ」
「土の中の虫と一緒にしないでよ!ララはもうすぐ小学校にあがるんだから」

・地の虫も 芽も誘われし 春の雨 (素粒子)
 Worms and buds are tempted by spring rain, day by day.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
(咲きかけた辛夷の芽の雫)

2010年2月20日土曜日

春暁 Dawn of a spring day


「お父さん、春は眠いという詩があるんだって?」
「そうそう、むかし孟浩然という人が作った「春暁」という漢詩がある。

春眠不覚暁 春の朝、うとうととまどろんでいると
処処聞啼鳥 あちこちに鳥の鳴く声が聞こえる
夜来風雨声 夕べは雨や風があったようだけれど
花落知多少 花はどれほど散ったのだろうか

短いけれど、春の感じが出ているいい詩だね」
「ねむねむのララにぴったりだ」
「お父さんはこんなに風流じゃなくて、明け方にダンテの神曲の地獄めぐりのような怖い夢を見てうなされて目が覚めたんだ。目覚めて、まだこの世にいるとホッとしたね」

・春暁や 悪しき夢から 放たれて (素粒子)
 Toward daybreak in a spring day, I waked up from a nightmare like the Divine comedy (poem by Dante).

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年2月14日日曜日

余寒


「いやー、このところ寒いね。雪も降ったし」
「あんまり寒くてララも散歩に出る気がしない」
「でも立春から10日経ったから、もうそろそろ一番寒い時期が過ぎるのかもしれないね。この寒さの底の中で、植物は芽吹きの準備をしているんだよ」
「冬季オリンピックもはじまったしね、ぐずぐずしていらないや!」

・如月や 余寒の底で 春を待つ (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年2月7日日曜日

雛飾り Set of dolls on display



「お母さんが何か始めたよ」
「2月になったからお雛様を飾り始めたんだ。3月3日より後まで飾っていると嫁に行き遅れるからその前の一カ月間くらい飾っておくんだって」
「It’s too late! ララちゃんは既に行き遅れているんだから」

・雛飾る 妻の横顔 華やぎて (素粒子)
 When my wife set the dolls on display, her face as seen from the side become brilliant.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年2月4日木曜日

立春 The beginning of spring


「お父さん、立春と聞いただけでも心が浮き立つみたいね」
「そうだね。でも寒明け十日と言って、まだまだ寒さが続くと昔の人は言っているんだよ」
「土手の方に散歩に行った時、冬枯れの中に早咲きの菜の花が黄色に咲いていて印象的だったね」
「菜の花が咲くと、それに続いて春のいろいろな花が咲き始める。たんぽぽ、すみれ、れんげ、雪柳、こぶしや桃、桜など百花繚乱となるんだ。待ち遠しいね」

・菜の花や 百花繚乱の 導火線 (素粒子)
 Rape blossoms light the fuse of many flowers blooming in profusion.

EOS40D, Canon EF 70-200mm/F4L USM, zoom