ページ

2010年1月30日土曜日

日脚伸びる


「お父さん、最近はだんだん日の沈むのが遅くなったみたい。どうして?」
「知りたがり屋のララちゃん、それはね、地球の自転の中心軸が傾いているので、公転につれて太陽の光が地球に射す角度が少しづつ変わってくるからさ。日の沈むのが遅くなることを「日脚が伸びる」というんだ。春夏秋冬の季節があるのも、そのせいなんだよ」
「難しくてわかんないや!散歩の時にララがお父さんのまわりをぐるぐる回るみたいなこと?」
「うーん、まあね。大分違うけど。ララの場合はヘソが傾いているのかな」

・花房の 伸びる如くに 日脚伸び (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年1月27日水曜日

早咲きの白梅 Early white-Ume blossoms


「ララちゃん、今の世の中は大変なんだよ」
「ご飯がたべられないとか?」
「そう、昨年来経済が落ち込んでいて、失業率が高くてご飯が食べられない人も多いんだよ。それに、自殺者も3万人以上もいるんだって」
「その原因になった米国発の金融危機は治まったの?」
「一見落ち着いたように見えるけど、まだまだ。オバマ大統領が“銀行がまた好き勝手なことをしないように”規制しようとしたら、株価がどんどん下がってきたんだ。世界中を苦しめていることに対して、米国の経済人に倫理的反省は無いのだろうか。
まあ、世の中は暗いけど、季節はめぐって早咲きの白梅が咲き始めたよ。白い花びらが暗い世の中をほんのりと明るくする」

・白梅や 暗い世相を ほの照らし (素粒子)
 Early white-Ume blossoms light up slitely an aspect of society.

EOD40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年1月24日日曜日

筑波山(筑波嶺)


「お父さんの職場の方には筑波山があるんだって?」
「そうだよ。霜が降りるほど冷えた朝、遠くから筑波山を望んだら青く霞んで見えて、感動するくらい綺麗だったね」
「万葉集にも詠われているとか」
「万葉集の中では紫峰と呼ばれているみたい。低い(標高877m)けれども、きっと昔の人も素敵な山だと思ったんだろうね。周りには雪が無いから、もう早春の雰囲気だ」

・筑波嶺が 青くかすむや 霜の朝(素粒子)

EOS40D, Canon EFS 17-85mm/zoom

2010年1月17日日曜日

写真と俳句


「お父さんは、どうして写真と俳句を組み合わせるのが好きなの?」
「それはね、お父さんの写真も俳句も半人前だから、お互いに補完しあって説明できるようにしているんだよ」
「1/2+1/2=1という訳ね」
「それが足し算だけでなくて、掛け算の効果がでる場合もあるんだ。3+3=6だけど3x3=9みたいにね。相乗効果という。こうなると嬉しいんだ」
「でも、お父さんの場合の相乗効果は半分と半分を掛けるんだから1/4になるんじゃないの!(昨日のイヤミへのお返し)」
「えっ!あの、その------おっとっと!」

・お地蔵も 春を待つらん 寒日和 (素粒子)

EOS40D, Canon EF 70-200mm/F4L USM
(写真は長久寺の大銀杏の下のお地蔵さん)

2010年1月16日土曜日

外は木枯らし


「寒い夜に皓々と冴える月に向かって吠える犬は絵になるけど、暖かいところでぬくぬくと寝ている犬は様にならないね。猫じゃあるまいし」
「そんなこと言われても、このほうが気持ちいいの。恰好つけてやせ我慢なんて嫌だ」
「まあいいか、ララの平穏な寝顔が我が家の平穏のしるしだものね」

・木枯らしを 外に聞きつつ まどろむか(素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年1月10日日曜日

春遠からじ Spring has come


「ここは夏には一面の葦原でヨシキリが鳴いていたのに、今は枯野だね、お父さん」
「うん、葦原の水たまりに陽が当たってきらめいているね。風は冷たいけど、春遠からじという感じだ。やがて季節はめぐる」
「春の来ない冬は無いって?」
「そう、人生もおんなじだ。あ、ララの場合は犬生か」

・葦原に 枯野の果ての 芽吹きかな (素粒子)
 You can see the new sprout of reed, after the end of a long time desolated field.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8, macro

2010年1月6日水曜日

蝋梅


「なんかとってもいい香りがするみたい」
「これは蝋梅。冬至が過ぎると咲く。寒中の花だね」
「どうして蝋梅と言うの?」
「花が蝋で作ったように見えるからという説がある。蝋人形の蝋だね。中国から渡来したから唐梅とも言う。梅という字がつくけど、梅とは種類が違うんだって」
「じゃ、ララの姿も蝋でつくると蝋犬かな。今年は生まれて11年目になるから老犬かな」

・蝋梅の 香り華やぎ 日脚伸ぶ (素粒子)

EOD40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年1月3日日曜日

初湯


「私をペットショップに預けて、どこに行ってたの?」
「ごめん、ごめん、ララちゃん、悪かったね。淋しかったかな?お正月の家族旅行で作並温泉に行ってたのさ」
「どこにあるの?」
「仙台と山形の中間にあって、あまり観光地らしくないところ。だけどお湯がとても良くて、仙台にいた時からのお気に入りなんだ。首丈まで深さのある露天風呂につかり、雪景色を眺めるのもいいものだよ」
「じゃ、こんど連れてってよ」

・地吹雪の 鄙のいで湯で 初湯かな (素粒子)

EOS40D, Canon EFS17-85mm, zoom
写真は温泉旅館の廊下の仕切り戸。この先に露天風呂があります。

新年 A Happy New Year


「おとうさん、明けましておめでとうございます」
「おう、ララちゃん、おめでとう」
「ところで、新年は一体どこから来るの?」
「そのことなんだけどね、今朝散歩に行った時に、小さな泉の湧き口の苔むした石に朝日が射し込んだところを見たんだ。そしたら、新しい年が生まれた瞬間を見たような気がしたよ。何かとても厳かな気持ちになり、励まされたね」

・新年が 楚々と生まれる 泉かな (素粒子)
 A New year is born from a little spring innocently.

EOS40D, Canon EF70-200mm/F4L ISM, zoom