「今日は中秋の名月。お父さん、日本以外の国の人もこの風情がわかるのかしらね?」
「前にNIST(National Institute of Standard and Technology:USA)に行ってた時、お父さんと同じジョセフソン電圧標準を専門とする米国籍の中国人研究者と知り合って、夜メシを食べに街に出たんだ。ちょうど中秋の頃だった。問わず語りにノートに漢詩を書き出して彼が言うには、文化大革命を逃れて一人米国に渡ったけれども、月をみては李白の詩「静思夜」を口誦さみ、故国に残してきた家族を思いだしていたそうだよ。
牀前月光を看る
疑ふらくは是れ地上の霜かと
頭を挙げて山月を望み
頭を低れて故郷を思う
だから、国籍はどこであれ月を見て思いふけることはあるのではないかな。いや、人だけではなくて狼も満月に吠えるというし」
DOS40D, Canon 70-200mm/F4L USM zoom
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