「お父さん、ニュースになっていた [ CP対称性の破れ ]ってなんのこと?」
「ララちゃん、それはビッグバンの直後に反物質より物質の方が多くなってこの宇宙が出来あがった根源を説明する理論で、日本人の南部陽一郎博士、小林誠博士、益川敏英博士(いずれもノーベル賞受賞)らが提唱している」
「理論に過ぎないの?」
「いやいや、7月19日につくばの高エネルギー研究所から素粒子のニュートリノがミュー型から電子型に変化する振動現象を観測したとの発表があったのだよ。
この結果により、ビッグバン直後の物質・反物質の“CP対称性の破れ”を解明できる可能性が高くなったと言えるんだ。まさに、宇宙の成り立ちの解明につながるとドキドキするね」
「どういう実験をしたの?」
「実験は、東海村にある大強度陽子加速施設(J-PARC)で大量のミュー型ニュートリノを作り、約295km離れた岐阜県飛騨市のスーパーカミオカンデに向けて発射したもので、神岡で532個のニュートリノを検出し、そのうち28個が電子型であることが分かったというものだ。より精度の高い追試が必要だけれども、これだけでも凄い!」
「お父さんの興奮はわかるけど、そもそもビッグバンは何故どうして起きたの?そしてその前はどうなっていたの?」
「おっとっと、それは-----うーん、参ったな」
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註:CP対称性のCはCharge conjugation(荷電共役変換)、PはParity(空間パリティ変換)
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