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2012年3月23日金曜日

馬酔木(あせび) Japanese andromeda



「ララちゃん、この世には遷ろいやすいものと、変わらないものがあるんだよ」
「例えば?」
「そうだね。移ろいやすいものは人の心、変わらないものとしては計量の標準(Metrology standard)など」
「計量の標準というのは重ささを測るときの分銅とか?」
「最近は、物の重さとか長さとかの状態を測る基準を基礎物理定数によって定義されるようになりつつあるんだ」
「お父さん、キログラム原器とか、メートル原器とかは過去のものになるの?」
「そうなりつつある。すでに時間の単位である秒(s)はセシウム133の超微細準位の周期で定義されているし、長さの単位であるメートル(m)は真空中の光の速さ、光度の単位であるカンデラ(cd)は周波数540THzの単色放射に対する視感効率(KCD)によって定義されている。近い将来に、次の四つの量も基礎物理定数で定義されるようになるんだよ。
・質量の単位であるキログラム(kg) ---プランク定数(h)による
・電流の単位であるアンペア(A) ---電気素量(e)による
・温度の単位であるケルビン(K) ---ボルツマン定数(k)による
・物質量の単位であるモル(mol) ---アボガドロ定数(NA)による
これらは国際単位系(SI)の7つの基本量だから、それらを基礎物理定数で定義することはかつてキログラム原器やメートル原器を決めた時と同じくらい画期的な出来事だ」
「それじゃ、基礎物理定数って絶対的に変わらないものなの?」
「いいや、そんなことはない。科学の進歩にともなってより精度が上がるので、数年に1度見直しをするんだよ」

・馬酔木咲く 森羅万象 遷ろいて (素粒子)

All things in nature change like a blooming of Japanese andromeda.

EOS40D, EF100mm/F2.8 macro IS USM

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