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2010年3月31日水曜日

退職の日


「いよいよ定年退職後の再雇用も卒業の日ですね」
「うん、もう65歳で頭の回転も鈍って来たからちょうどいい潮時だね」
「これからは、ララと一緒に遊ぶ時間が増えるから嬉しいな」
「でもね、毎日家にいるとお母さんが「亭主在宅症候群」になる恐れがあるんだって!」
「それじゃ、どうするの?」
「まあ、今までの職場が客員研究員にしてくれるというし、ほかに某社の技術顧問になるから適度に社会の風に吹かれることになりそうだよ」

・春寒や 今日を限りの 職場かな (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
(写真は、自宅に帰る途中の道端に咲いていた大根の花)

2010年3月20日土曜日

早咲きの桜


「ここ(埼玉県北部)ではまだ桜の開花宣言がないのに、お寺の境内に桜が咲いているみたいだね、お父さん」
「うーん、何だろうね。ソメイヨシノでも、カワヅザクラでも、エドヒガンでもないみたいだし」
「花の色がやや赤っぽいね」
「桜の木の根元に人が埋まっていると血の色が花に表れるという噂話を聞いたことがある?ララちゃん」
「そんな! あれはお寺の敷地内の桜だし、話が出来すぎだよ。怖~い!」

・願わくは 花の下にて 春死なむ
      その如月の 望月の頃 (西行)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年3月13日土曜日

浮かれキツネ Playful foxs


「お父さん、お稲荷さんの扉を開けたでしょ」
「うん、いい陽気になったからお社の空気も入れ替えてあげようかと思って」
「見てよ、おキツネさん達がうれしそうな顔をしているよ。今にも踊り出しそう!」
「初午の豆腐も油揚げもご馳走したことだし」
「春だから、浮かれているのかな」

・陽春や 浮かれキツネが 踊りだし (素粒子)
 As spring has come, mery and playful foxs begin to dance.

EOS40D, Canon EFS 17-85mm/zoom

早春賦 The eary sign of spring


「ララちゃん、ようやく暖かくなって来たから森林公園に遊びに行こうよ!」
「遠足に行くなんて、嬉しいな」

「ほら、あそこにクロッカスが咲いているよ」
「なんか嬉しい歌の旋律のように並んでいるね。何の歌なんだろう?ララちゃん」
「“早春賦”みたい」

・陽光に 春の旋律 クロッカス (素粒子)
 The crocus blooms like as a musical scope of eary sign of spring melody.

EOS40D, CanonEF 70-200mm/F4L USM, zoom

2010年3月8日月曜日

新たな鳥居 TORII (Shrine gate)



「お父さん、今日は神主さんが家に見えるんだって?」
「そうなんだよ。庭の隅にあるお稲荷さんの鳥居が朽ちたので20年ぶりに新しくしたの。それの魂入れの儀式をお願いしたんだ」
「神主さんに祝詞をあげてもらうと、単なる木材から鳥居という神格を持ったものになるなんて不思議だね」

・お稲荷の 鳥居新たに 梅香り (素粒子)
 The gate of INARI shrine is rebuilded, when an Ume blossom smells sweet.

EOS40D, Canon EFS 17-70mm/zoom

2010年3月6日土曜日

春の波濤 Spring surging sea





「お父さん、昨日は遠足だったの?」
「まあ、遠足みたいなものだ。茨城県と福島県の境にある五浦海岸まで出かけたんだよ。太平洋の荒波が押し寄せるこの地を見て岡倉天心は一目で気に入り、日本美術院の本拠地としてこの地で横山大観や菱田春草、木村武山らを育てたそうだ」
「絵心をかき立てるような所なの?」
「岩礁に押し寄せる波の形が素晴らしく、お父さんも夢中になって写真を撮ったね」

・春なれや 力みなぎる 波濤かな (素粒子)
 Spring has come, you can get a vitality from powerful surging sea.

EOS40D, CanonEF 70-200mm/F4 L USM, with PL filter
(左下の建物は、岡倉天心が座禅し思索した六角堂)