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2010年5月26日水曜日

卯の花



♪ 卯の花の匂う垣根に ホトトギス早も来鳴きて 忍音もらす 夏は来ぬ・・・・♫

「ララちゃん、あれが卯の花だよ」
「白い儚げな花なんだ。これが初夏の花なの?」
「そう、茎が中空になっている空木(うつぎ)に咲く花だ。お父さんの田舎では、現世と黄泉の国の間に咲く花とされている。この木で釘を作り、棺の蓋を閉じる釘として使ったんだよ」

・卯の花や 棺に釘さす 音悲し (素粒子)

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro
写真はバイカウツギの花

2010年5月22日土曜日

アマリリス(その2) An amaryllis


「一週間前は蕾だったのに、直径20cmもの大きな華やかな花が咲いたね」
「アマリリスというのは、まるでヨーロッパのどこかの国のお姫様の雰囲気があるよね」
「薄幸のお姫様でなくて、陽気で幸せいっぱい、子供も沢山という感じかな」

・彼の国の 姫の如きか アマリリス (素粒子)
An amaryllis looks like a princess of foreign country.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年5月16日日曜日

アマリリスの蕾 The bud of amaryllis


「お父さんの丹精したアマリリスが大きくなってきたね」
「今年は寒い春だったけど、季節は巡っているんだね。草花はそれなりに育っているから」
「蕾が赤みがかってきて、生命の躍動を感じるね」
「おお、ララちゃんもそう感じるか!この蕾の中にはきっと夏が詰まっているんだよ」

・紅蕾に 夏を孕むや アマリリス (素粒子)
The light red bud of amaryllis involves summer in itself.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro

2010年5月9日日曜日

写真クラブ初参加


「お父さん、昨日は写真クラブの例会に出かけてどうでした?」
「初めてクラブに参加させてもらったんだ。まだ正式会員じゃないけどね。写真歴の長い人が多くて気おくれしたよ」
「自分の撮った写真を見せ合いっこするの?」
「そう、そして講師の写真協会会員のプロの写真家が講評するんだ」
「冷や汗ものだね!」
「そのプロの方が、意外にもお父さんの写真を褒めてくれたんだよ」
「それはね、会員になるかもしれない金の卵だからきっと初めは大甘なのよ。深謀遠慮」

・ 褒められて 冷や汗をかく 立夏かな (素粒子)

写真はお褒めいただいたもの。近所のお寺の境内にある約200年前の小さな浮き彫りで、5歳位の娘を亡くした親が建てたと思われる。
EOS40D, Canon EFS 17-85mm/zoom

2010年5月4日火曜日

ぼたん A peony



「近所の牡丹が今年も咲いたね!」
「牡丹が咲くとまわりの空気までずっしりと重く感じるね、ララちゃん。妖艶な中年女性の人生の重みを感じさせる匂いだと思わないか?」
「そう言われても、返事のしようが無いの。ララは犬だから---」

・春愁や 重たく匂う 牡丹かな (素粒子)
A look of sorrow passed over a woman's face, when peony smells heavily in Spring.

EOS40D, Sigma 105mm/F2.8 macro